『AGESAGE 4』(2024年)

DLはこちら ▶https://ux.getuploader.com/monarpg/download/117

≪ストーリー≫

『AGESAGE3』から2年後の物語。世界の統合によって起きた混乱はようやく鎮まったが、「ガイネン」と呼ばれる異形の存在が人々の日常を脅かしていた。これは一人の少年が「削除人」として目覚め、巨大な悪に立ち向かっていく物語である。

主な登場人物

シフォン(右)
主人公。戦いのセンスに優れていて、削除人として戦いに身を投じていきます。とある事情で記憶を失ってしまいました。

ギコタ
シフォンの相棒のチビギコ。ガイネンの力を自在に操ってシフォンを助けます。不思議な力をもっているようです。

イチマル
シフォンの先輩。常識人で、自由気ままなシフォンの扱いに苦労しています。ガイネンを激しく憎んでいます。

ロゼ(左)
マルガイのベテラン削除人。イチマルのバディでもあります。面倒見が良い反面、酒癖がよろしくありません。

ミツキ(左)
マルガイの新人削除人。自分に自信がなく常にオドオドしています。本気になればけっこう動けるらしいです。

パンジェ
マルガイの統括官。シフォンを削除人にスカウトしました。ミステリアスな雰囲気の美女です。

師匠
マルガイ最強の削除人。周囲に「師匠」と呼ばせています。高齢ですが戦士としては超一流です。

サジェスタ
カルト教団のリーダー。私利私欲のために行動する危険な人物です。ギコタを狙っています。

アヒャール
『3』から続投。特務機関「ラベル」の調査員です。とある事情でシフォンに近付きます。

ミナミ
『3』から続投。アヒャールのバディです。普段は大学生として忙しく過ごしています。

開発秘話+

楽しく制作できました。けど・・・

『3』は10年以上かかりましたが、『4』は約2年で完成させることができました。途中でスランプに陥った前作と比べて、詰まることなく最後まで進めることができたのは、とにかく制作が「楽しい」ものだったからだと思います。藤本タツキ氏の『チェンソーマン』の設定に『Splatoon』の要素を混ぜたものが本作のベースでした。『チェンソーマン』は漫画・アニメ共にどっぷり浸かり、展示会や観劇のために東京まで足を運んだほどでした。『Splatoon』 は週末の度に何時間もプレイ。子ども向けゲームと侮っていたのですが、徹底的に練られた世界観と随所に挟まれる「遊び」の部分にこれも惹かれたのでした。好きなものをふんだんに詰め込んだ『4』。一方、そのことが「モナーRPGらしさ」を薄めてしまった点については、後々触れていきたいと思います。オリジナル要素をどれぐらいもたせられたか振り返ってみると、原点の『AGESAGE』の足元にも及ばないでしょう。

技術面では『3』を超えられたか?

『4』にはこれまでの作品になかった要素がいくつも加えられています。背景(一枚絵)とピクチャーの多用がまず挙げられるでしょう。「第○話」を合間に挟むことでメリハリをつけることができたのではないかと思います。全12話構成になったのは本当に偶然でした。アニメの1クールのようですね。その他としては、ブソー堂の武器選択、アルバイト「チビギコ狩り」、モノ屋の家具購入システムなどが挙げられます。これらは『Splatoon』から着想を得たものでした。私のこれまでの作品は全体的にアナログ色が濃く、シナリオ面1本で頑張る傾向が強めでした。新しく何かを始めるにあたり、変数や乱数など学び直しをしたものです。そんな新しい作品づくりをするにあたり、テストプレイの協力を請け負ってくださった遠藤なお氏には深く感謝しています。俯瞰的に作品を見てもらうことでこんなにも改善できるのかと思いました。改めて、ありがとうございました。

【第1話①】不穏なスタート

 物語はシフォンとノイのやり取りから始まります。「普通の」少年少女とはどこかズレた怪しげな会話、アニキと呼ばれるサジェスタの存在など、2人の置かれている環境が不穏なものであることが伝わればと思います。『4』には、『3』までに使われていた「荒らし(RPGでいう所謂モンスター)」という概念がなく、代わりに「ガイネン」と呼ばれる怪異が存在します。2人は凶暴なガイネンの討伐を命じられていたのでした。ノイの誘惑(?)を振り払ったシフォンは単身ガイネンの下へ向かいます。洋館に向かうまでの流れは、手塚治虫氏の『火の鳥 太陽編』をオマージュしたものです。手塚氏の作品は、女性キャラクターの描き方が非常に「刺さる」のです。太陽編に「イノリ」というキャラクターが登場するのですが、デザイン、メンヘラ気質のある性格など、現代でも十分受け入れられるであろう要素をもっていると思います。このイノリをモチーフにノイの設定が作られ、そこからこのようなオープニングが誕生しました。イノリの出番自体はそれほど多くなく、ノイも当初は第1話でフェードアウトする予定でした。ところが、後に衝撃の役どころでノイは再登場を果たします。

【第1話②】ギコタとの出会い

 サジェスタに騙されたシフォンは、ガイネンと共に爆風に飲み込まれてしまいます。死を迎えようとしたそのとき、同じく致命傷を負ったガイネンから「契約」を求められ、それに応じる形で復活を果たしたのでした。物語の根幹は『チェンソーマン』が大部分を占めていて、「契約」というワード自体も『チェンソーマン』での人間と悪魔のやり取りとほぼ同義です。

この時のシフォンとガイネンの会話は、『ウルトラマンZ』第1話をオマージュしています。生命の危機に瀕した主人公とウルトラマンが、どこか噛み合っていない会話の中で最終的に一心同体になるという場面があるのです。醜悪な見た目のガイネンが、話してみたら意外とフランクで物分かりが良いというギャップがあったら面白いだろうなと思い作りました。このガイネンの見た目ですが、本来の姿ではなく、シフォンのトラウマによって形成されたものでした。そのトラウマの正体については、終盤にて判明します。

【第1話③】卑劣な男・サジェスタ

シフォンとノイにガイネン討伐を命じたサジェスタ。アニキと慕われているようですが、その実態は仲間を平気で切り捨てる悪党でした。彼がリーダーとして鎮座する「シャドウ教団」は、悪と断じたガイネンの駆逐を謳う一方、教団関係者以外の人間すべても「不浄な存在=悪」と見なす危険な思想に染まったカルト教団です。教団の中でシフォンのような実働任務に就く者たちの大半は、「身寄りのない孤児」ばかりでした。

シフォンがなぜ孤児になったのかは劇中後半にて明かされます。実のところ、サジェスタ自身には宗教観というものは皆無であり、ただ己の欲望を満たすためだけに教団を立ち上げ、本能の赴くがまま破壊と略奪を繰り返していたのでした。そんなサジェスタは言葉巧みに子どもを洗脳し、使い捨ての駒のごとく意のままに操ります。

サジェスタのモチーフは『ガンダムOO』の「アリー・アル・サーシェス」です。一応はモナーRPGなので、サーシェスほどの非道な行為は行いません。第1話以降の動向は不明となるサジェスタですが、第4話にて仲間を連れて再登場します。

【第1話④】マルガイ

復活を果たしたシフォンの前に現れたのは「マルガイ」所属の削除人2人。元ネタの『チェンソーマン』で言うところの「公安」に該当する組織です。悪事を働くガイネンに立ち向かうため結成されました。「使えそうなものは何でも使う」というスタンスのため、処分する代わりにシフォンをマルガイへ引き込んだのでした。

『チェンソーマン』由来の部分が多い本作です。パンジェは「マキマ」。イチマルは「早川アキ」がモデルでした。『チェンソーマン』を読んだことがあれば、終盤の展開やラスボスがゲーム初期から予想できたのではないでしょうか。

余談ですが、マルガイのメンバーの名前には数字が入っています。シフォンは「4」。これは本作がAGESAGEシリーズの4作目だからです。ロゼは「0」、イチマルは「1」、ニダオカが「2」、ミツキが「3」です。数字遊びは『Splatoon3』を参考にしました。ラスボス戦のタイムリミットが「3分33秒」など、至るところに「3」が仕込まれていて、遊び心の大切さを学びました。ゲーム制作をしていると、どこかで事務作業感覚が起こってしまいます。そうでなく、常に楽しみながら制作していきたいものですね。

【第2話①】ガイネンとは

 AARPGなのに、AA要素が限りなく薄まってしまった本作。『チェンソーマン』にだいぶ寄せてしまったことが原因でした。

それは公開後の反省で、制作中はガイネンの設定の万能さにずいぶん助けられました。これまでは、既存のAAの中から物語の状況に合いそうなキャラクターを敵としてチョイスしてきました。ガイネンを設定したことでその選択に悩む必要がなくなったのです。ガイネンは『チェンソーマン』の「悪魔」がモチーフです。劇中では「トマト」や「ニワトリ」といった身近な動植物から「支配」「永遠」といった姿かたちをもたない概念まで、幅広い呼び名の悪魔が登場しました。集合住宅に「クマバチ」の悪魔が現れたり、ドイツから「人形」の悪魔がやって来たりしました。なんでもアリ、というのは本当に楽なもので、敵キャラを考えるのはとても楽しかった記憶があります。

【第2話②】RPGとの相性が良かった?

 4作目を迎え、マンネリ化を感じていた部分がありました。それは、魔法(特殊技能)の設定です。2ちゃんねる由来のAARPGというジャンルゆえ、魔法は「コピペ」という名称に置き換え、技の名前も2ちゃんねる色の濃いものにしようという縛りをこれまで課していました。とはいえ、2ちゃんねる用語で技の名前に使えるものは思っていたより少なく、またシリーズを重ねるに連れて使い回しも苦しくなってきました。特にネーミングに関しては、地味に時間のかかる作業の1つでした。

『チェンソーマン』では、契約した悪魔の力を発動させて敵と戦います。この設定を本作に落とし込んでみると、とても自由度が高くなりました。シフォンの場合、ギコタが様々なガイネンの力を吐き出して戦うという設定だったので、ムカデやビタミン、アシガルなど技の名前をフリーダムにつけることができたのです。『チェンソーマン』の舞台設定がRPG制作と意外なほど相性が良かったことが分かりました。「召喚獣」と同じような感覚でしょうか。

【第2話③】AGESAGEシリーズを繋ぐもの

本作は、前作『3』の後日談です。とはいえ、過去作品との繋がりは極めて薄く、「外伝」としての要素が濃いと言えるでしょう。

『3』終盤、暴走を始めた6つの世界がギコリオたちの尽力によって統合を果たしました。作中の描写では伝わりづらかったと思いますが、私の意図としては、6つの地球が無理やり1つに合体されてしまった現象を表現したつもりでした。国が異なるだけで文化の違いに驚きますね。これが宇宙規模で起こったとしたら…というのが「シックス・インパクト」の正体だったのです。混乱が起こらないはずがありません。その混乱が疑念や恐怖に変わりガイネンが誕生した、というのが本作の基本設定でありました。『3』から繋がる要素はこの部分程度です。これは、シリーズ作品でよくある「過去作をプレイしていないと面白くない」問題へのアンサーのつもりでした。「シックス・インパクト」の説明以降は、『チェンソーマン』の設定を根幹に据えて物語は進んでいきます。もっとも、中盤からアヒャールなど過去作のキャラクターが登場しますが…。

余談ですが、画像のパンジェさんのグラフィックは『Splatoon』の「インクリング」がモデルです。けれど、元ネタの「マキマ」との乖離が激しいため没データとなり、完成版では元ネタ寄りのグラフィックに変更となりました。個人的にはめんこいと思っています。

【第2話④】イチマルという男

第1話で触れましたが、シフォンの世話役を務めるイチマルのモデルは『チェンソーマン』の「早川アキ」です。イチマルについては元ネタとほぼ変わらない設定で、最初こそシフォンに冷たく接しますが心根は優しい人物で、最終的に良い兄貴分となるキャラクターです。

RPGで言うところのアタッカー要員で、攻撃的なタカのガイネンと契約しています。破天荒なシフォンを諫める常識人としてのポジションは、いわゆる説明キャラとして非常に重宝したものでした。終盤、元ネタと同じように退場してしまうイチマルですが、エンディングで再登場します。イチマルの貢献が少しでもハッピーエンドに向かえば良いなという思いでした。